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  1. 決意表明
2021/12/21

決意表明

平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

私より以後の事業展望についてご報告申し上げたく、筆を取りました。

この度、「ガーネットは2024年に上場する」ということを決意しました。

今日に至るまで、弊社は、不動産・ホテル・飲食・美容・アパレル等、ベンチャー企業として多岐に渡る事業を展開してまいりました。

その過程で、事業をバイアウトし、デベロップメント事業に資金を投じて成長し、今年、このコロナ禍の最中にありながら、過去最高の売上高を達成することができました。

しかし、事業を拡大していく中、常に頭の中では、不動産以外の事業について、「私は経営者として何の責任も果たすことが出来ていない」という自責の念がありました。

「事業売却により本業を拡大」というフレーズは非常に前進的で聞こえがいいものですが、そこには「事業」ではなく私に対して期待を寄せてくださったクライアント様、そしてその事業で共に歩みを進めたスタッフがいました。

近年では起業時からバイアウトを目的として事業を展開する経営者が増加していますが、スピードが重要視される資本主義社会の中で、成功・成長するためにはそれも一つの正解だと思います。

弊社の業績に注目頂いてのものか、「ガーネットを十数億円で売ってもらえませんか?」等のお話を頂戴することが本年もありました。将来性を見込んで頂いた提案ですから、当然ありがたく思う反面、このように考える機会が増えました。

「何をしたくて今まで事業を興し、事業売却によって得た全財産をガーネットに投資したのだろう。」

「経営者としてどう成長することが大切なのだろう。」

前述の通り、繰り返し事業売却を行い、資産を築くというのは間違いなく会社を大きくする1つの方法です。

世間はコロナ禍で疲弊していく中、皆さまのご縁やお力添えで弊社は難を逃れることができましたが、「果たして自分は周りを本当の意味で幸せにすることができたのか?」「経営者としての責任を全うできているのか?」と日々考えるようになりました。

情けないことですが、思い返せば「何も責任を果たせていない」という回答にたどり着きました。

弊社では、皆様の大切な資産をお預かりしております。

ありがたいことに、資産管理をお任せ頂く戸数は年々増加しておりまして、再来年には総戸数が5000室に到達し、また、お預かりする資産が新築のマンションであれば、今後50年以上存続することになります。

オーナー様には、大切なご家族がいらっしゃり、そして、その資産は大切な方々に受け継がれていきます。

我々は、存続する限り、数世代に渡るかもしれない大事な財産をお預かりしているのです。

コロナ禍で日々自身と向き合い「お客様との約束」「大切な資産の管理」そして「それらを守りきって初めて経営者じゃないのか?」と考えるようになりました。

私は今年33歳になりましたが、50年後は83歳です。

ビジネスの最前線には立てていないかもしれませんし、現在のスタッフも「今」と同じように勤めるのは難しいでしょう。

しかし、先ほど申し上げた通り、資産は存続する限り、皆様の大切な人に受け継がれていきます。

私どもの扱っている商品は、半世紀を超えて、地図にも残り、大切な人を守るためのお力添えをすることができます。

「資産管理」に伴う責任を果たすため、M&Aのお話はお断りすることを決断しました。

その上で、「経営者として、企業として、そしてこれからご縁を頂く方々に対し、生涯をかけて責任を果たすべきだ」と考えました。

世紀を超えて責任を全うするため、それを実現できる「人」を創り・育て続ける企業。

そのためには、私個人の会社ではなく、上場を果たすことで公の企業となり、「ガーネットが世紀を超えて顧客と共に栄える企業になる」という選択肢を採りました。

また、現在の京都においては、不動産業界をはじめとする各業態の経営者層が高齢化していることにより、事業承継・存続の問題が発生しています。

私が思い至ったように、「引退後も企業を存続させ、顧客を大切にしたい」という経営者も多くいらっしゃいます。

すでに予兆として現実問題にも取り上げられていますが、10〜15年には少子高齢化が更に加速し、如実に現れます。

その時、「ガーネットになら譲渡しても大丈夫だ」と、弊社が「京都の企業として、次の時代を紡いでいく」という、京都における企業様の受け皿になることが、京都で事業することの恩返しでもあり、使命であるとも考えております。

すでに、来年を目処として、創業50年を超えるゼネコン様との間で、将来的な買収を視野に入れた出資のお話を進めております。

ガーネットは個人による一企業ではなく、公な企業となり、社会的責任が果たせることについて、信頼と信用があることが大切です。

また、「京都」という土壌は、東京や大阪等といった大都市ほどベンチャー企業に対し理解がなされておらず、「種を蒔き、育てる」という文化・体制が整っていません。

その一方で、京都には優秀なエンジニアが多く、翌年にはIT専門学校が開校されることから、関連したベンチャー企業も多く設立されていますが、成長する前に芽が枯れてしまうということが非常によく見受けられます。

私自身も起業当初は融資を受けることが出来ず、資金繰りに困窮した時期もありましたが、それは事業の展望に反して、成長できる機会を逃していたにほかなりません。

京都の成長企業の情報が投資意欲のある大都市へ入りづらく、また企業育成の文化が整っていないことは、謂わば、大企業や投資家が「京都の優秀な芽」を育てることができる機会を失っているのです。

京都におけるベンチャー企業のガーネットだからこそ知ることができる成長可能性のあるIT事業や不動産関連をはじめとする新興企業に対し、意欲的に新しい分野への出資を行い、培った技術を用いることで、京都の不動産業界を新しい時代に導き、私が諸先輩方から、前進するチャンスを頂いたように、京都を代表する企業となり、次の世代の道標になることが、時代を切り拓く我々の使命であり、役割の一つだと考えました。

京都の不動産ベンチャー企業が公の企業と成ることで、私はじめ経営陣が引退しても、世紀を超えて社会的責任の果たすことができ、京都が誇る不動産の歴史を受け継ぐ公器となり、そして新しい時代を拓く企業として成長していくことを決意し、来年から監査を依頼し、2024年を目標に上場準備を進めて参ります。

新しい時代を拓くべく日々切磋琢磨してまいりますので、今後ともご指導ご鞭撻の程、何卒よろしくお願いいたします。

応援よろしくお願いいたします。

 

「世紀を超えて顧客と共に栄える企業」

株式会社ガーネット

代表取締役 中野拓磨